京山小圓嬢
京山 小圓嬢(きょうやま こえんじょう) (第2部門:現代演劇・大衆芸能)
初舞台から66年。年齢を重ねるごとに芸に深みが増し、全身からは熱い情念がほとばしる。演題「壺坂霊験記」では、大河のごとくゆったりとした節の運びと、大ベテランらしいめりはりの利いた台詞、心の琴線に触れるリズムの絶妙な兼ね合いで酔わせた。関西浪曲界の牽引役。平成6年より始まった「一心寺門前浪曲寄席」も20年目に入った。地道な努力の積み重ねや、若い世代を積極的に登用し、育て上げてきた功績も高く評価したい。
【略歴】昭和21年 京山小太夫に師事、芸名 京山小福。昭和23年3月 九州 大博劇場にて初舞台。昭和41年 菊地容子と改名。昭和46年 二代目京山小圓嬢襲名。昭和61年4月(社)浪曲親友協会理事就任。平成10年4月 (社)浪曲親友協会常務理事就任。平成23年7月公益社団法人浪曲親友協会常務理事就任。現在に至る。
[受賞歴]平成11年 大阪府知事表彰受賞。
平成25年度(第68回)文化庁芸術祭賞決定
(平成25年12月25日発表)
文化庁芸術祭大賞
京山小圓嬢(公益社団法人浪曲親友協会常務理事)
◎受賞対象:
「一心寺門前浪曲寄席における「亀甲縞」の話芸
受賞理由
完成に年月を要する浪曲という芸を、たえず真摯な姿勢で取り組んできた成果として、近年流麗さを増した小圓嬢節が冴さえた。お得意の「亀甲縞」は、現代に通ずるテーマを有しており、観客には浪曲の今日性をアピールした。
前半を抑えめに入り、終盤の大ゼメと呼ばれるクライマックスの場面の盛り上げに成功し、関西女流浪曲の第一人者としての実力を示した。